トリプルスキンの家
Photo:Kimikazu Tomizawa
松の家
平塚市袖が浜の海岸付近に位置する夫婦と子供2人のための住宅です。この敷地にはずっと以前から防砂林として植林された8本の松が放置されていましたが、クライアントの英断により、全ての松は新しい住宅と積極的に共存するため残されることになりました。そこで、まずはこの8本の松の詳細な測量から設計をスタートさせ、そして枝ぶりを注意深く検討しながら、相対的に小さなスペース群を鉄筋コンクリートで幹の隙間を縫うように、その他大きなスペース群を枝を囲うように鉄骨造の開放的なボリュームとして配置することにしました。ここでは入り組んだ各コーナーは松と絡み合い、外観も内からの眺めも松と住宅がお互い依存しあい一体化することを目指しています。また、外壁は塩害対策と同時に経年変化を演出するため、銅、米杉、漆喰を選択し、松を優先したため十分ではなかった日射のコントロールを外付ブラインドによって補完しています。第48回神奈川県建築コンクール優秀賞受賞。
Photo:Kimikazu Tomizawa
SLICE
全国の市で一番小さく東京特別区に次いで人口密度の高い埼玉県蕨市の住宅地に計画された、コンテンツプロデュース事業、フルフィルメント事業、ITソリューション事業などを展開する会社の本社ビル。住宅密集地のなかに、巨大なiPadのような一面のみをスライスしてガラス張りにした建物を挿入することによって、この会社の事業イメージを表すと同時に、このような典型的な密集地に連なる、建物と建物の間の永遠に影に閉ざされてしまう隙間をオープンで風通しのいい場に変える事を目指しました。通常のウラをオモテとして見立てているので、建物内部からは住宅密集地にもぐりこんだような、そして最上階では屋根越しの風景が展開し、普段見慣れた道路側の景色とは違う感覚を体験できます。
Photo:Kimikazu Tomizawa